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母乳・乳房について - 千葉で安心の出産をするなら武田助産院

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お産の知識

母乳育児のメリット

もっとも大きいメリットといえば、母児の接触による効果です。

●きずな・愛情の育成
●栄養的にも自然な飲み物
●経済的
●清潔・手間いらず
●すぐ飲ませられる
●下あごの運動
●健康状態の把握

きずな・愛情の育成

現在カンガルー・ケアという、小さくして生まれた場合でも、積極的に母児の接触が試みられています。

栄養的にも自然な飲み物

免疫物質が6か月ぐらいまであるのは有名です。その後も少ないながら存在することが分かっています。

経済的

ミルクでは少なくとも月に1万円ぐらいの経費がかかります。

清潔・手間いらず

ミルクのように乳首・ビンの消毒はしなくてもすみます。
夜中や外出時、旅行先など、どこでもすぐに与えられます。
空腹などで泣いたり、ぶつかったり・転んだりしたときの、癒しになります。
睡眠への導入に役立ちます。「おっぱい飲んで、寝んねして…」ができます。

すぐ飲ませられる

ミルクのように乳首・ビンの消毒はしなくてもすみます。

下あごの運動

歯並びが良くなります。
下あごの発達が良くなります。
下半身の発達につながることが分かってきました。
脳への刺激になります。(哺乳満足感の充実。脳の発達)

健康状態の把握

●肌の接触で発熱が分かります。(ぐずりから「今日はいつもと違う」という感覚)
●便秘や下痢のようすが早く分かります。
●顔色、皮膚の色、湿疹などの外見上の変化が分かります。
●精神面の変化も感覚的に分かります。

母乳育児のデメリット

母乳の分泌が少ないとか、多すぎるなどの心配が生じることです。
▲乳頭トラブルが起こることがあります。
▲乳輪トラブルが起こることがあります。
▲乳房トラブルが起こることがあります。
▲その他

  • 各部の名称
  • 各部の名称

乳頭トラブル

乳頭の変形(ゆがみ、つぶれ)が見られることがあります。
乳頭の変色(貧血色、紫紅色、黒ずみ)が見られることがあります。
乳口炎(乳頭炎)が見られることがあります。
白斑(潰瘍)が見られることがある。
亀裂、かさぶた、発赤、かゆみ、が見られることがあります。

乳輪トラブル

乳輪炎が見られることがあります。
カンジダ様発赤が見られることがあります。
亀裂、痛み、かゆみ、が見られることがあります。

乳房トラブル

硬 結(急性なもの、慢性なもの)が見られることもあります。
乳腺炎(急性なもの、慢性なもの)が見られることもあります。
左右のバランスの崩れ。形や大きさに差を生ずることもあります。
痛み(鈍痛)。発赤。かゆみ、が見られることがあります。

その他

母乳が出ないことを苦にしてしまう。(自己否定やノイローゼにつながりかねない)
母乳でも、湿疹・アレルギー症状を呈する児がいます。
「母乳を飲ませないといけない」「出さないといけない」というプレッシャーを感じてしまいます。
2~3万人に1人ぐらいという割合で、乳房発育不全の場合がありますが、まったく分泌しないというのではありません。

乳房の管理と変化(非妊婦対象)

思春期と適齢期…何より基本的な身体つくりが大切なときです。ひいては健全な妊娠・出産につながりますから、次のようなことを基礎に考えると良いでしょう。

乳房の張る原因

妊娠中は胎盤からのホルモン等で乳汁の分泌は抑制されます。分娩後は催乳ホルモンの作用で、身体の新陳代謝が高まり、「乳房が張る」ことが起きてきます。

身体

胎児(母体の子宮に中のいる状態)は胎盤から臍帯を通じて栄養を補給されている。新生児(出生してしまうと)は母乳で栄養を補給してもらう。乳から免役や栄養素を得て生命を維持することになる。

ホルモン

乳汁を分泌する催乳ホルモンは、プロラクチン、オキシトシンの活性を高め、甲状腺機能も上昇させ、身体の新陳代謝も盛んになります。
こうした生理的要因で、産後3日くらいで「張る」ことがありますが、通常、出産直後からあふれるほど出ることはなく、張りすぎてつらくなるとは限らないのです。

悪い要因

産後の高カロリー(高脂質、高たんぱく)食。水分摂取多量。果物や甘物の摂取多量。

過度に乳房に加わる刺激

産直後の強いマッサージ。(助産師・看護師などがやりすぎるとか、痛みを伴うほどの揉みあげ)
母親、本人による搾りすぎ。(関係者の説明の仕方にも問題がある)
過度の機械的な刺激。(搾乳機の使いすぎで、電動でも同じ)

多食、多飲

産婦より強い立場の人が「たくさん食べないと出ない、たくさん飲まないと出ない。張らないのは栄養が不足」という間違った認識からの強制があります。
育児書や友人・知人の助言を過信するあまり、積極的に食べたり飲んだりする者もいます。

その他

授乳とは母児の相互作用だから、分泌してくる量を十分に吸えない。児の吸い下手の場合もあります。
(専門的には)児に舌小帯が考えられる。児の飲み方との関係を調べることも必要。

粉ミルクについて

はじめに

粉ミルクに関して特筆すべきは、戦後の社会の急変である。1945年(敗戦の年)出生率は激減、明治以来最高の乳児死亡率となったことです。母乳不足の母親が激増して牛乳も不足することになり、やぎ乳での栄養の研究までされています。
1949年、厚生省(厚生労働省)が全国赤ちゃんコンクールを開始、粉ミルクで大きく赤ちゃんを育てることがはやりだしました。

ミルクの普及

今の祖母世代(60歳代~70歳代)には、粉ミルクで新生児を大きく育てることに、夢中になった人も多いはずです。
1951年には育児用粉ミルクの規格が決まり、メーカー各社の大量生産、宣伝合戦が始まりました。1973年には粉ミルクの生産量が9万トンを越す記録をだしています。
WHOが粉ミルクメーカーの行き過ぎた販売活動をやめさせる措置をとるべきという勧告が決議されるまでとなりました。同時に母乳育児の推奨をはじめました。

世界の目覚め

1975年、WHOの決議を受けて、厚生省は母乳育児運動の基準を発表しました。
1979年、ジョン・ケネルは著書「母と子のきずな」で母子相互作用を提唱。母子接触、授乳の重要性を力説しました。
1981年、WHOで粉ミルクや哺乳ビンの販売に関する国際基準が採択されました。
1982年、粉ミルクの表示内容が決められました。

乳児にとって母乳が最高である旨の表記。医師、栄養士などの相談・指導を得て使用することが適切である旨の表記。など
1989年、WHOとユニセフが、「母乳育児を成功させるための10か条」を作成しました。
1991年、WHOとユニセフで、「赤ちゃんにやさしい病院(BFH)」の認定を開始しました。
BFH認定施設は日本全国に広がっています。

乳房トラブルの原因

一般的に、母親の身体が強く冷えています。風邪などで体調が悪いことや冷たい飲み物が多い、妊娠中あるいはそれ以前から高カロリー食が多いという因子と、相手(つまり乳児が飲み下手)との相互関係も考えられます。

乳口炎

白 斑 …白っぽく皮膚が変色するもの。
白 栓 …白っぽい粒状の塊や乳汁があるもの。
亀裂やただれ …赤く切れたりただれたりするもの、出血をする。

  • 亀裂
  • 白斑

乳輪炎

かゆみ、痛みあるいは痛かゆいなどの違和感があるもの。
亀裂やただれ …赤く切れたりただれたりするもの、出血をする。乳輪におこる。
硬 結 …乳輪の中のしこり、これは治癒するのに時間がかかる。

  • しこり
  • 亀裂・ただれ

乳房トラブル

乳房のトラブル

硬結(つまり)は触れることができる。はっきりあるとわかる。
急性 = 夜間でも急につらくなる
慢性 = いつまでも、つまりが続く

発 赤 …表皮が赤らむ
痛 み …奥の方、表面に感じる(痛がゆい)
触れると痛いか、触れなくても痛い
ズキズキする、ジンジンする。
鈍痛 …なんとなく痛む

乳房の左右の大きさが違う

先天的 = まれに左右の大きさが違うものがある
後天的 = 片方しか飲めない。飲まなくなる。

 左右の大きさの違い 両方飲んでいるが差がある場合。
 左右の大きさの違い 片方しか飲まない場合。

乳房トラブルの原因

乳頭、乳輪のトラブルと同様にいろいろの要因がある。

人為的なもの

強すぎる刺激などで、マッサージなども起因します。

薬剤などの使用

長期的な使用によっておこることがあります。
乳腺炎時の薬剤の長期使用でも、硬結が残ることさえあります。

母児によるもの

乳児の母乳(乳首)の飲み下手、飲みのこしも原因となります。
乳児がボトルは飲むのに授乳ができないといった、授乳混乱を生じることがあります。

乳房トラブル(非妊婦対象)

切開の跡

結婚もしていない、出産もしていない女性。
違和感を感じて受診すると次のような診断をされることがあります。
乳腺症
乳がん

乳房トラブル(非妊婦対象)乳腺症

触診やエコー、採血をしてみたが、はっきりした診断がつかないと「乳腺症」ということになります。

乳房トラブル(非妊婦対象)乳がん

肉食が多く、野菜を食べる量が少ない人、冷え症の人、家系的に乳がんが多い場合は、エコーなどの診断を受けた方がいい場合があります。
脂質の少ない食事にする、身体を冷やさないようにする、便通を良くする、食べ過ぎや飲みすぎはつつしむ、睡眠を良くとり、リラックスした生活を心がけること!
自己の健康管理が、大切と思います。

時期による乳房の変化

妊娠期

初期の乳腺 妊娠すると黄体ホルモンが一時上昇する。わずかに体温が上昇(37゜C)してる感じる、いつも眠気がある様に感じるのがそれである。しかし、3~4か月目には平熱になります。
中期の乳腺 人によっては乳房が敏感になり乳頭に触れると、痛みがある方もいますが、まだ乳汁が多く出ることはありません。少量ずつしみ出ることはあり、これはプロラクチンというホルモンの影響なので、心配することはありません。
後期の乳腺 乳房が少しずつ大きくなるのは、妊娠によるホルモンの影響で、この時期の手当てとしては、入浴時に良く洗う。スキンケアをする。乳房体操などがある。いずれにしても、やりすぎてはいけません。

授乳期

授乳期

分娩により胎盤が娩出すると、乳房から乳汁(母乳)の分泌が始まる。
面白いことに、母親のホルモン(催乳ホルモン)が2時間かけて急速に分泌されるし、新生児のカテコールアミンも生後30分をピークに分泌されていることがわかっております。

カテコールアミンは新生児の五感を研ぎ澄まさせる。
そして活発な分泌が行われるのであるが、それには授乳をしていることが必要になります。

夜間は授乳を休んだ方が言いという考えもありますが、4時間ぐらいあくと乳質も変わってくるということも分かっています。
夜の授乳は添い寝していてできるので、リラックスして飲ませてあげた方がいいと思われます。

卒乳期

授乳は母と児に何らの問題がなければ、何歳になってもいいと思っています。

乳汁も良く出るので、安心して続けられる。ただ、産直後のように硬く張った乳房でなく、やわらかく、新生児が飲んでいたときにツーンとなる程度になるのがよい。

次のような状態になる。
1歳半を過ぎると …乳児は昼間は遊びに夢中になるので、回数は減るが寝る前や夜間は必ず飲むことが見られます。
1~2歳の間 …急に止めるとパンパンに張ることがあるので、1.水分、高カロリー食を控える。2.圧抜きをします。(出し過ぎないように)3.冷湿布をする。4.場合においては漢方を飲むこともあります。
2~3歳くらい …急に止めるのと違い、パンパンに張って苦しいということはなく、あまり張らずに止まっていくので楽です。

身体の変化

カチンカチンの乳房の場合は、背部の筋肉の流れを良くすることが大切で、肩甲骨の周辺、背部、体側部のマッサージをすると、かなり柔らかくなります。乳房への直接の強いマッサージはできるだけ避けましょう。

下肢が冷えている人は入浴するか足浴をすることで、血行を改善させると乳頭のトラブルから解放されることもある。常に身体を冷やさない工夫をすることが必要です。

エモーショナル・サポート

母乳のみになることを目指していますが、時にはミルクに頼らなければならいこともありますので現状にとってのベストの状態を整えるように支援していきます。